鼻のしくみ
鼻のもっとも重要な部分は、奥にある鼻腔と呼ばれる空間です。
ここは左右から出っ張った骨格を持った3つのひだがあり、粘膜に接しながら空気が通りすぎていきます。
このときに、ちりやごみを除いて気管支に冷たい空気が入らないように加温・加湿します。
鼻の中は鼻中隔という壁を境に左右に分かれていて、それぞれ上・中・下の3つのひだがあります。
空気は主に下のひだを通りますが、このときにちりの60~70%を取り除きます。
また、血管や粘液が適温・適湿を保っているというわけです。
また、鼻と目・耳・のどはつながっており、個々の役割のほか、連結して大きな働きをしています。
まず鼻と耳は、耳管という気圧調整の管でつながっています。
耳に水が詰まった時の「水抜き」は耳から鼻へ空気を抜くことで水を出すためです。
鼻と目は、涙管でつながっており、涙が一杯になった時、鼻水となってそのまま流れてきます。
鼻と口は、軟口蓋という弁の切り替えで、食道と気道につながっています。
食事中は気道をふさぎ、くしゃみをするときは食道をふさぐなどの働きをしています。
ニオイを感じるしくみ
鼻のもう一つの大きな役割が嗅覚です。
においは大脳皮質の嗅覚野という場所で判断されます。
たとえば美味しそうな匂いの場合、脳は唾液を分泌するなど各器官に指令を送っています。
しくみとしては、鼻腔の中にある嗅球がにおいの受容器となっており、刺激を大脳へ送ります。
この嗅球の先端にある嗅粘膜の表面には細かい毛があり、粘膜から分泌される粘液の中に突き出すようにして生えています。
まずこの部分でにおいを感知するしくみになっています。
鼻が詰まるとにおいを感じなくなってしまうのは、無意識に口から呼吸をするようになることで、空気の流れが変わり、鼻の最上部にある嗅球まで届かなくなり、においを感じにくくなるというわけです。
嗅神経は非常にデリケートにできており、同時に大変疲れやすく、最初は臭いと感じていても、しばらくすると神経が鈍くなってガスの臭いさえも臭いと感じなくなってしまいます。
ですから、ガス中毒はこの嗅神経が鈍ったことで起きるようです。
クシャミが出るしくみ
わずらわしいと感じがちなくしゃみですが、これは肺を保護するための重要な作用です。
鼻腔にくっついた有害物を取り除く、いわば防御反応ともいえます。
なお、くしゃみをしたときに起こる空気の流れは、強い時で時速160kmにまで達するといわれています。
鼻の粘膜は非常に粘り気が強く、ここで細菌や異物をしっかりと吸着します。
そして、線毛が前へ前へと異物を運んでいきます。
鼻粘膜は三叉神経(自律神経)を介して呼吸筋という筋肉と関連しており、異物によりこの三叉神経が刺激されます。
三叉神経は刺激を呼吸筋に送りますが、有害物を吸い込むほど、刺激も強くなり呼吸筋は緊張し続けます。
ギリギリまで耐えていた呼吸筋は、緊張の原因である有害物を取り除くため、一気に緊張をゆるめます。
そのため、気道から勢いよく空気が飛び出し、有害物も取り払われます。
これがくしゃみのしくみです。
風邪などでくしゃみが続く場合は必ずマスクで防御しましょう。
鼻血が出るしくみ
鼻腔には、温度調節のために血管が豊富に通っています。
中でも、キーセルバッハ部位と呼ばれる場所は、動脈の毛細血管が密集しており、出血が起こりやすい状態になっています。
このため、鼻の中をいじりすぎたり、勢いよく鼻をかむことで粘膜が傷つき出血することが多々あります。
鼻腔内の粘膜は、他の部位の粘膜に比べて薄く、また、粘膜直下には骨や軟骨があるので傷つきやすくなっており、キーセルバッハ部位は特に血管の密集しているところです。
鼻を強くかむなどで鼻粘膜を傷つけることによる出血のほかには、長い時間お湯につかったり刺激物を多量に食べたりしたときに起こる鼻出血もあります。
血流が急に激しくなり、血圧が上がることで、キーセルバッハが切れるというメカニズムです。
鼻血が出たときは、寄りかかるなどして頭を高く保つようにしましょう。
そして、綿で栓を作り、先に油性クリームを塗るとよいでしょう。
鼻腔に入れることで、鼻の根元を冷やす効果があります。
いずれにしても、一時的なものが多いので、あまり心配はいりませんが、出血量があまりに多い時は耳鼻科で診断を受けましょう。