肝臓のしくみ

肝臓は人体で最大、最重量、最高温の臓器です。

その重さは成人で1~1.2kgにもなります。

一個の肝臓には約2500億個の肝細胞があり、口にした食物中の栄養素を化学的に処理し、その人の体にあったものに作り替えて送り出しています。

腸で吸収された脂肪は、リンパ管を経由して血液に入り、肝臓へ至ります。
と同時に、肝動脈を通じて1分間に1500ccの血液が流れ込み、酸素と栄養を補給しています。

肝臓のおもな役割は、栄養分の貯蔵・代謝・解毒です。

肝臓で分解されて作られたグリコーゲンや脂肪などを貯蔵し、必要に応じて血液中に出す働きをしています。

また、肝臓の組織が壊されてしまった場合、肝細胞は増殖をして自力で修復します。

栄養素を体内で使える形に分解・合成して作り替えるのも肝臓の仕事です。
炭水化物やタンパク質、脂肪、ビタミン、ホルモンの代謝をします。

そして、アルコールやニコチンなど体の内外から入る有害物を分解して解毒をします。

こうして体に合った成分に分解・合成された栄養素を肝静脈を通じて全身へ送ることで、人体の血や肉、エネルギーになっているというしくみです。

アルコール分解のしくみ

飲酒したアルコールは、胃や小腸で吸収され、肝臓に集まってきます。
そして、肝臓では酵素の力で分解作業がすすめられ、無害化して炭酸ガスと水になり、体外に排出されます。

アルコールが分解される過程は、まず、摂取したアルコール分のうち20%くらいは、そのままの形で尿や呼気、汗として体外へ出されます。

残ったアルコールは、肝臓内でアセトアルデヒドという有害物質にまず分解されます。
このアセトアルデヒドは、いわゆる「悪酔い」のもとです。

そして、さらにこれを分解して酢酸という物質に変えます。

この酢酸が、全身の臓器や組織に運ばれて、筋肉と脂肪組織で分解され、炭酸ガスと水になり尿などとして体外へ排泄されます。

いわゆる「飲み過ぎ」などで、アルコールの作用により肝臓に負荷がかかりすぎ、細胞が障害を受けることがあります。
この時、肝細胞は強い回復力で傷ついた部位を修復しようとしますが、破壊スピードが速いとこれが間に合わず、繊維の多い組織が増えて肝臓の働きが損なわれてしまうことになります。

胆汁のしくみ

胆汁は肝臓で分泌され、腸内での消化・吸収を助ける重要な消化液です。
この胆汁は肝細胞で作られ、血液の流れとは逆に肝臓の外側に向かって流れます。

そして胆のうに集まられ、胆管を経て十二指腸に送られています。

胆汁は、アルカリ性の黄色の液体で、一日に約700~1000ミリリットルほど分泌されます。

成分は、97%は水分ですが、「ビリルビン」という古くなって壊された赤血球の色素から作られるもの、コレステロールを原料にして作られる腸で脂肪の消化・吸収を助ける「胆汁酸」、残りの「コレステロール」から構成されています。

その働きは、食物に含まれている脂肪を溶かして乳化させ、腸内の脂肪分解酵素が作用しやすいようにすること、腸内の内容物の流れをスムーズにすること、肝臓で生まれた不要物を腸に送りだし排出させることが挙げられます。

小腸から戻る胆汁酸の量に合わせて、肝細胞は新しい胆汁酸の生産量を調整します。
肝臓の疾患などで、この胆汁酸の生産がうまくいかなくなると、不要になったコレステロールが血液中に混じり動脈硬化の原因になることがわかっています。

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